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不正乱視って何?
以前、こちらのコラムで『乱視を放ったままにしていませんか?』というお題で一般的な乱視について取り上げました。
乱視とは、角膜や水晶体のゆがみにより光の屈折が不均一になり、外から入ってきた光が1点で焦点を結ばなくなってしまう状態でしたが、乱視は大きく分けて、正乱視、不正乱視の2種類があるのをご存知でしたか?
『正乱視は正しい乱視??・・・であれば不正乱視は正しくない乱視??』と文字通りにとらえるとそのように思ってしまうかもしれません。実際にそれぞれの意味するところは
①正乱視:眼の角膜や水晶体が一定方向に歪んでいる乱視
②不正乱視:主に角膜の表面が不規則に歪んでいる乱視
ということになります。
『乱視を放ったままにしていませんか?』のコラムで取り上げたのは主に正乱視のお話で、今回はもう一つの不正乱視についてお話してみようと思います。
正乱視と不正乱視の違いについては下の図でイメージして頂くと分かりやすいと思います。
正乱視は角膜と水晶体の経線(例えば縦と横のカーブ)の屈折力の違いによる言わば『方向が規則正しい乱視』で、シンプルに眼鏡や乱視用ソフトコンタクトレンズで矯正が効きます。
一方、不正乱視はいわば『方向が規則正しくない乱視』です。角膜の表面が不規則に歪み、表面にデコボコができていたりするため、焦点が多数できてしまう状態となります。(円錐角膜などの角膜変性疾患や角膜移植後、外傷などが主な原因です)
そのため、眼鏡や乱視用ソフトコンタクトレンズなど一定の報告でしか乱視を矯正できないアイテムでは安定した見え方を得るのが難しくなります。
『もし自分が不正乱視だった場合、どうしたらいいの?』とお思いになった方も多いと思いますが、その答えは不正乱視の矯正にはハードコンタクトレンズが最適ということになります。
ハードコンタクトレンズは素材が硬く、角膜の形に沿って変形することはありません。そのため、レンズと角膜の間にある涙もレンズとしての役割を果たします。
これを涙液レンズと言います。この涙液レンズの効果により、角膜の不整な形状による不正乱視を矯正し、正しく結像できます。
※ソフトコンタクトレンズでは素材がやわらかく涙液レンズがほとんど形成されません。
まずはご自身の眼が正乱視なのか、不正乱視なのかを病院やクリニックで角膜の形状解析等を行い眼科医の先生に判別してもらうことがとても大切です。
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